田中さん一家は6人家族。優しくて料理好きな主夫の父、怪の物ながら少女の外見をした双子の長女、闊達でエキセントリックな次女、不思議なペットを連れた宇宙人の長男、赤ん坊ながら超能力を持った三女。そんな彼らの日常の1日を描いた、読み切り作品です。
普通に見えて、その実、全く普通ではない田中家の面々ですが、彼らの特異性が特段、強調されるのではなく、ごくごく自然な形で描かれている所が快いです。また、釣巻作品としては珍しく、ポップな雰囲気で纏められており、スラップスティックな娯楽作品に仕上げられている点が特徴です。何より、作者が楽しんで描いていることが伝わって来る点が好いですね。
作品を評価する上で、読者はつい、整合性やリアリティを重視しがちですが、「家族の食卓」を読む上で大切なのは、「逐一、意味を求めないこと」です。あくまで、読んだそのままを受け入れること、それがこの作品を楽しむ最高にして、最良のスパイスであると思います。