
©:今村陽子 国立少年 2000
ある王国に光と闇、それぞれの力を宿した双子の姫がおり、うち、闇の姫はその力ゆえに、生まれて間もなく城に幽閉され、長く苦渋に満ちた時を過ごします。しかし、王の死を契機に、闇の姫は王族の一人であるテヌーシャの手引きで城を脱出するや、王座を賭けて実妹である光の姫との対決に挑むのですが……。
今村陽子さんの同人誌です。国立少年の中ではやや古めの作品で、絵柄や本の造りは今と異なる少々異なります。また、動きの表現に硬さが見られるものの、キャラクターの感情表現は大変に秀逸です。作中、闇の姫が、抑留生活の苦しさを涙混じりに叫ぶシーンがありますが、それはまさに、「魂の叫び」とも言うべき凄みがありました。
結局、光の姫が勝利を収め、念願の王位を手にします。ただ、王座に身を委ねながら、戴いた王冠を滑り落ちるに任せ、王の立場を「鳥かご」に喩えて束縛を嘆くラストシーンは、実に皮肉めいていて印象的なものでありました。
なお、この作品をリメイクした作品が『クラウン』(2002年)です。