『プラットホーム』

プラットホーム
©:ちゃい 印度茶 2001 再び、印度茶・ちゃいさんの作品です。

主人公の那津は、高校での成績や友人関係の悩みが元で登校拒否に陥ってしまいます。また、そのことが原因で母親とギクシャクした関係になってしまい、ますます悩みを深めることとなります。気が進まないながら、登校をしようとしたある日の午後、駅のプラットホームで那津は一人の青年・千尋に出会います。そんな彼から、那津は意外な言葉を掛けられます。
「あんたはホームから転落して、実は今、死にかけている」
と。不可思議な”夢”のような状況に戸惑いながら、やがて那津に、生きるか死ぬかの選択を下す時がやって来ます……。

悩み多き高校生の心情が上手く描かれた作品だと思います。那津は、始めは暗い表情をしていますが、千尋相手に溜め込んでいた悩みをようやくの思いで吐き出し、進むべき道をはっきりと決めた後は、実に晴れやかな表情をしています。この辺りの表現がとても上手です。

他にも、舞台が「生と死の狭間にあるプラットホーム」という着想には面白さを感じますし、上(死の世界)行き、下(生の世界)行き電車の乗車券、というアイディアも感覚的に解り易く、かつユニークです。結局、二人はプラットホームで道を分かつのですが、後日、那津にとっては思わぬ形で千尋との再開を果たします。読者が期待した通りに物語をきちんとしめ括る辺りに、作者のストーリー構成の上手さと、きめ細やかさを強く感じました。

希望を感じさせる作品は、いつ読んでも、幾度読んでも好いものですね。

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