『ゆめうつつ、ゆめ』

ゆめうつつ、ゆめ
©子毬和 人間もどき
子毬和(現・釣巻和)さんの同人作品です。

高田いく、中学2年生、特技は「人の夢が視える」こと。ただ、自分では夢をみたことがないらしい。

田無音子、高校2年生、特技は「所かまわず寝る」こと。趣味はカギ集め。保健室の常連さん。

仮病をきっかけに保健室で出合った2人が、不思議なカギを巡る小さな冒険に出ます。そして、ようやくカギの合うドアを見つけたものの、その先に広がる光景に、音子は大きな失望を覚えてしまいます。

その数日後、保健室を訪れた音子は、いつものように眠りに落ちたものの、深いゆめから抜け出せなくなってしまいます。いくは、そんな彼女を目覚めさせるべく、あるモノの存在を思い出すのですが……。

これまで、数多くの同人誌を読んで来ましたが、手に取って数ページ目を通しただけで、この作品は尋常ではない、と感じました。果たして、その第一印象は思い違いではありませんでした。美しい装丁、丁寧で繊細な作画、掴みどころのないキャラクターたち、そして先の読めないストーリー。時折、ウィットのあるユーモアを織り交ぜながら、想像性豊かに物語が描かれています。

この作品は、自身が読んで来た中でも、5指の中に入れたいと思うほどに印象的です。頻繁にではないのですが、このような作品に巡り合えるからこそ、同人という場は面白くて仕方がありません。

生憎、『うめうつつ、ゆめ』の頒布は終わってしまったのですが、いつか、形を変えてでも(願わくば、単行本で)、また人の目に触れる機会が与えられることを願って止みません。

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