『SORAMIMI VIRUS』&『John and Sarry』

SORAM


ロボいぬさんの短編漫画集の第2弾です。
空想好き少女・ユカの青春を描いた「ソラミミノイズ」、バンパイアのとある日常を描いた「バンパイア ジンの憂鬱な日常」などが収められています。

「ソラミミノイズ」のユニークさは、子供と大人の狭間で揺れるユカの心理を、彼女の心に棲む”もののけ”に仮託して表現している点にあります。それは、彼女の子供っぽさ、あるいは、大人になることに対する戸惑いを視覚的に象徴する存在だからです。

一方、「バンパイア ジンの憂鬱な日常」では、吸血イヌたちの日常が描かれています。主人公のジンは、同じく吸血鬼である従兄弟のニコと違い、血を吸わなければ生きられない体質に悩んでいます。そんな二人の一週間は、平凡であり、平凡には程遠いものでもあります。

特に印象深いのは、生き血を求めて狩りをする一週間の最後、日曜日のシーンです。狩りに失敗し、

血を飲み損ねた夜は体がとても冷えるんだ

と寂しそうに語るジンの後ろ姿には、自分の意思だけでは如何ともしがたい、吸血鬼としての悲哀が漂っているように思いました。しんみりとさせられる作品です。

JaS


講談社のオンラインコミック「e‐manga」(無料配信)にて連載中の作品です。天然ボケで風変わりな行動のが多い女の子・サリーと、常識的ゆえにサリーの行動にひたすら振り回されるイヌ人間・ジョンのフルカラーコミックです。この本には4話が収録されています。

毎話、妙なキャラクターが登場したり、奇妙な体験をしたり、ジョンが酷い目に遭っているなど、アブノーマルな事件のオンパレードなのですが、それらが日常の、ごくごく普通の出来事のように描かれている点が何とも珍妙で面白いと思います。

トータルでの分量は少なめですが、物語の不条理さや絵の独特な色使いを楽しめる、コストパフォーマンスの良い1冊です。

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