『土星マンション』

土星マンション 1 (1) 土星マンション 1 (1)
岩岡 ヒサエ (2006/10/30)
小学館
地上から35000メートルの上空で窓拭きをする少年のお話です。

地球全体が自然環境保護区となり、立ち入りが禁じられるようになった未来、人々は地上を離れ、地上から35000メートル上空に浮かぶリング状の建造物の中で生活を送るようになります。そんな中、3層に分かれたリングの下層で暮らす少年・ミツは、中学卒業と同時に、リングの外壁の窓を拭く危険な仕事に就きます。この本は、ミツが窓拭きの仕事を通じて見たもの、感じたことを綴った作品です。

何とはなしに雰囲気があり、表紙買いをしてみたのですが、果たして予感の通りでして、多々面白い要素を持った作品でした。成層圏に浮かぶリング状のマンションという舞台、その内部には貧富による階層社会が形成されているという設定、そして「窓拭き」という危険のある仕事に携わる登場人物たちの個性、などなどです。

お話は、時にコミカルに、また時にシリアスに描かれています。そうした、ストーリー面でのメリハリの利かせ方が大変に上手だと思います。また、効果的に笑いや、はっとさせられるような場面を織り交ぜるなど、読む者を飽きさせない工夫を、作中から強く感じることができました。

まだ1巻なのですが、ミツがどのような人々と出会うのか、どのように成長して行くのかが楽しみです。気が早いかも知れませんが、先々、アニメ化を期待したいですね。

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