再び、オノ・ナツメさんの作品です。
リストランテ(レストラン)である「カゼッタ・デッロルソ」は、従業員が皆、老眼鏡を掛けた紳士であるという一風変わったお店です。そのオーナー夫人の隠し子であるニコレッタと、リストランテを取り巻く人々との交流の日々を描いた作品です。
作者さんは、人間関係を描く上手さを持っておられる方ですが、この作品でもまた、読み応えのある、洒脱な人間ドラマが描かれています。
初め、主人公であるニコレッタは、長年、祖父に預けられて育ったがために、母親とどう接するべきか悩んでいます。しかし、リストランテの人々と触れ合うことで、少しずつ、自分の居場所を見つけ、仕事にも、恋にも生きる女へと成長して行きます。その途中途中に、他のキャラクターの抱える悩みや、過去のエピソードが上手く織り交ぜられ、落ち着いた雰囲気ながら、起伏に富んだ一つの物語として、実に良く纏められていると思います。
どなたにでも、という訳には行きませんが、熟成した、大人向けの物語をお好みの方でしたら、男女を問わずお勧めです。