『LA QUINTA CAMERA 〜5番目の部屋〜』

LA QUINTA CAMERA~5番目の部屋 LA QUINTA CAMERA~5番目の部屋
オノ ナツメ (2006/07/28)
小学館
前回に引き続き、オノ・ナツメ作品です。

舞台はイタリアのある街。独身の中年男性4人が共同生活をしているアパートには、”5番目の部屋”と呼ばれる空き部屋が1つだけあり、留学生のための下宿として貸し出されています。この作品は、4人と、そこを訪れる留学生たちが繰り広げる、ささやかではあるものの、輝ける時間を描いた連作漫画です。

商業における初期の作品には、その作者さんのルーツが凝縮されている傾向があるそうですが、確かにその通りだな、と感じさせる作品でした。同人作品でも見られたイタリアという舞台、擬似的なファミリーを好んで描く作風、一筋縄では語れない個性的なキャラクターなど、特に『リストランテ・パラディーゾ』(太田出版)に通じる要素が多い、と感じました。

ストーリーはレギュラーの4人を中心に語られますが、ゲスト的な存在である”5番目の部屋”の住人もまた、面白い存在感を持っていると思います。本編と、描き下ろし分などを含めた計9話が短く、もっと読んでいたくなるような愛着を感じさせて呉れた作品でした。

以前は別の出版社から出ていたのですが、今回、会社を変えて再販され、多くの読者に読む機会が与えられたのは実に喜ばしいことだと思います。深みのある人間ドラマがお好みの方は、この機会に是非どうぞ。

 | BLOG TOP |