『OPERA』の第6号掲載の作品です。全24ページ。
〈真夜中商店街〉は、人ならぬ者たちが棲む不思議な場所。その中にある〈星月夜神社〉には、見目麗しき青年の姿をした神様がおり、日々街を見守っています。そんな、訪れる者が疎らな神社を、日々欠かさずお参りに訪れる人間がひとり。商店街で生まれ育った唯一の人間という少年に興味を持つうち、彼の立場に共感を覚えた神様は、とうとうお社を飛び出してしまいました、というお話です。
なよなよしていて、頼りない風の星月夜の神様ですが、神性を捨ててまで、好きになった人間の傍にいることを選んでしまう辺りが人間臭く、つい「可愛いなぁ」などと思ってしまいます。とても表情豊かなのですが、希望が叶った時の、如何にも嬉しそうな顔が印象的です。
また、読んでいる最中、ついキャラクターにのみ目が行きがちですが、背景描写も見逃せません。商店街の光景、看板や店先に並んでいる商品など、細かな部分まで手が込んでおり、描写やデザインの妙を感じさせます。加えて、さり気なく”妙なもの”が街を跋扈していたりします。こうした遊び心も好いですね。
多々制約がある所為か、構成にやや窮屈さが感じられる点が残念なのですが、作画の細かなところまで観察した上で、楽しんでいただきたい作品です。
【次回は「真夜中商店街 ─飴玉屋─」をご紹介します。】