
©:水谷フーカ 猫街 2007
「
猫街」の水谷さんのコミティア82新刊です。
七日あいこは小学4年生。彼女は、学校の水泳の時間に不思議な”いきもの”を目にします。プールの水底に棲むその<ばけもん>は、あいこの願いごとを叶える代わりに、自身のある願いを叶えて貰おうとするのですが……。
超アナログ──と表現すれば良いでしょうか。
全ページ鉛筆書きという、最近では珍しいタイプの作品です。ペン入れされていない分、ザックリとした感じはありますが、陰影の表現が非常に繊細で、中でも、水にまつわるシーンの表現には目を瞠る巧さがあります。鉛筆ならではの味わいと温かみというものも、なかなかに捨てがたいものですね。
ストーリーはごくシンプルで短いながら、現代の日本という舞台、静的なシーン構成、京都ことばによる台詞など、これまでの作品には見られなかった新しい要素が多く見られました。これらの興味深い”新しい抽斗”は、作者のこの数年での変化と成長の象徴ではないか、という気がします。
当面は、『コミックシルフ』(メディアワークス刊)にて作品が掲載されるとのこと。そちらも見逃せません。